赤信号の、その次は3

腹減った

真司郎の一言で飯食いに行くかとなって

まだ仕事だという日高を残して男4人で定食屋へ向かった。

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ごちそーさん。じゃ帰るか。次は明後日か?みんな家でも練習しとけよ

じゃあなとその場で別れ、各自タクシーに乗り込んだ。

方向が一緒なら良かったのに、直ぐそこの交差点でみんなバラバラになるから相乗りも出来ない。

1人でタクシーの窓から外を眺める。

宇野ちゃんも来れば良かったのに。

食いながらも仕事の話をしてた俺らは職業病か。

それでもそのおかげで、自分のミスしやすい所を指摘してもらったり

反対に教えてやったりと、有意義な時間になった。

宇野ちゃんにも教えてやりたい所がいっぱいあるのにと

みんなが口を揃えて言ってたんだけどな

きっと女1人になってしまった宇野ちゃんを気遣う気持ちも入ってるんだろうけどーー

自宅マンション前。

タクシーから降りて、そういえば飲み物が何もなかったなと思い出した。

お茶も水も切らしてる。

面倒だけど、コンビニまで歩くか。

歩いて10分。

コンビニ到着。

2ペットボトル数本と菓子パン数個。

結構な重さになったカゴをレジの店員に渡す。

これ持ってまた歩くのかーー

いっそ筋トレだと思って走るか?

コンビニから出て歩いて行くと、俺のマンションの隣のマンション前で

男が女を突き飛ばしているのが見えた。

ーー何か最近、男女の揉め事に遭遇する確率高いよな。

前は宇野ちゃんだったなと思い出しながら

その横を素通りする。

ちょっと!何で押すの

後ろから聞こえたこの声。

まさかとは思うけどと、チラッと女の顔を盗み見てみるとーー

また宇野ちゃんかーいっ!