その恋は惰性か真実か。151

随分と背が伸びたね

見上げる僕に飽きる事なく降って来るキス。

それに男らしくなった

託生は変わらないな

そうかな?

あぁ、可愛いままだ

また可愛いとか言う

だって本当だ

嬉しそうに目を細め、またキス。

良い加減にやめさせないと、いくら人影はまばらだと言っても流石に恥ずかしくなって来た。

ギイの今日の予定は?

何も、

ならうちに来る?そう遠くはないから

うちって、ニューヨークに住んでるのか?!

うん。少しでもギイの近くに居たくて

託生、

行こうか

手をしっかりと繋ぎ僕らは博物館を後にする。

数メートル後ろに似たようなスーツ姿の男性が二人。

あの人達は君のボディガード?

あぁ、

外出するにも監視付きか。不自由じゃないのかい?

慣れてるから不自由さはないけど、託生は気になるよな。帰そうか?

気にならないと言えば嘘になるけど、あの人達の仕事なんだから別に帰さなくても良いよ

そうか?でも、

何を思ったのかギイの足は不意に止まる。

おい!

その声にボディガードが慌てて近寄って来る。

何でしょう?

こちら、タクミハヤマ。オレの最愛の人だから失礼のないように

ギイ、君ねぇ

本当の事だろう?

そうだけど

呆れる僕を余所に二人は、

初めまして、Mrハヤマ。Mrサキのボディガードのアルフレッドと、

ジョンです。宜しくお願いします

こちらこそ、

オレはタクミの部屋に行く。お前達は好きにして良いぞ

好きにと言われましても、

部屋の外で待機させて頂きます

却下。他の住人の迷惑になる

ですが、

何かあったら連絡する

分かりました。ですが、Mrハヤマのマンション前までは付いて行きますから

だってさ

僕は構わないけれど、

いくら仕事とは言え、何だか申し訳ない気がしてしまう。

エントランス内にベンチが有りますからそちらで待機して頂いても構いませんよ?

宜しいんですか?

はい。警備へ一言断って頂ければ

ではそうさせて頂きます

はい

託生は変わらず真面目だな

真面目な人間は生徒と不適切な関係にはならないよ

不適切って、

校内で何度も抱き合ってキスをした。

噂にはなってしまったけど、幸いにバレはしなかった。それでも不適切な行為がそこにあった事は事実だ。

もしかして、だから祠堂を?やっぱり託生は真面目だな

そうじゃない

ならどうして、

その話はまた後にしよう